テープ起こし(文字起こし)

在宅ワークや副業として人気の文字起こし。文字起こしとは、どのような仕事内容で、どんな魅力があるのか…?
今回は、講演録や会議録作成(速記・文字起こし)に20年以上携わっていらっしゃったE子さん(仮名)に文字起こしという在宅ワークについて教えてもらいました。

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インタビュアーインタビュアー

文字起こしとはどのような内容のお仕事ですか?

E子さんE子さん

まず、前提として、ここでは「日本語の文字起こし」に限ったお話をさせていただきたいと思います。

「文字起こし」は、以前は「テープ起こし」とも言われましたが、カセットテープで録音されていた頃の名残であり、現在はデジタル機器での録音音声を聞いて、文章に起こす作業をこう言います。

インタビュアーインタビュアー

文字起こしのお仕事にはどのような人が向いていますか?

E子さんE子さん

日本語が聞き取れて字が書ける、またはタイピングができる方ならどなたでもできそうな内容ですが、それは半分正解、半分間違いです。

話す声というのは、テレビやラジオで芸能人やアナウンサーが話しているのを聞き流しているとわかりませんが、書き起こし作業をしてみて初めて「一筋縄ではいかない」ということに気づくでしょう。早口でも滑舌がよく、無駄のない整った話し方は聞きやすいのですが、逆にゆっくりした話し方でも、話があっちに飛んだりこっちに飛んだりでわかりづらい方のものは、聞こえたとおりに起こすだけでも苦労しますし、起こしたものは、下手すると日本語として成立しないような、わからづらい文章になることがしばしばです。

また、些細な言い間違い、訛り、アクセントやイントネーションの違いによる同音異義語など、聞いてみないと実感できない「わかりづらい・起こしにくい」要素は多く存在します。
何か1つのテーマに沿った話では、そのジャンルにあまり詳しくない場合、初めて聞く単語も多く飛び出します。初めて聞く単語というのは、正しく聞き取れていない場合も多くなります。「テ」が「ペ」に聞こえたり、「ギ」が「ニ」に聞こえたり、5音あるはずの言葉がぞんざいに発音されている結果、3音や4音に聞こえたり(または全く聞き取れなかったり)、悩みの種は尽きません。
こうした内容の悩みや困りごとには、実は仕事を始めたばかりの初心者もベテランも、同じように悩まされています。
ただ、前者と後者の大きな違いは、「わからない言葉が出てきたときに、どう対処すればいいか」を知っているかどうかです。作業に慣れている人は、前後の話から何について話しているかを探り、不正確でもできるだけ近い音を聞き取ってリサーチすることで、何とか正解にたどりつくのです。
「音声から文字へ」というと、ちょっと聞きには内容的に単純作業に聞こえるのですが、よい成果物を提出するためには、その間に多くの障害物があることを忘れてはいけません。

文字起こしの作業に向いている人は、何より「言葉に対して敏感な人」と言えるのではないでしょうか。

インタビュアーインタビュアー

文字起こしのお仕事の魅力、
あと、苦労したお話があれば教えてください。

E子さんE子さん

文字起こしの魅力の1つは、多様な作業を何度も繰り返すうちに、幅広い分野に対する知識が増えるという点だと思います。

秘密厳守の前提で託される案件も多いので、話者のプライバシー侵害につながるような内容をほかの人に話すのはもちろんご法度ですが、一般的な豆知識ならば、コミュニケーション力のアップになったり、他の仕事の助けになったする場合もあります。

何かを知ることで、より深く詳しく知りたいという気持ちがいっそう湧いて、そのための勉強やリサーチが苦にならない――というよりもむしろ「癖になる」という姿勢も、人生を楽しく豊かにしてくれそうです。

一方、文字起こしで最も苦労するのは、音声状態が悪い場合です。
いつもマイクを通したクリアな音源が聞けるわけではありません。むしろICレコーダーや携帯電話といったハンディな機械でささっと録音できるようになり、そういったものも文字起こし内職として回ることが多くなった分、ノイズが多くて肝心の声が正しく聞きとれないということは本当に多くなりました。
資料や補足情報をもらえる場合もありますが、限界があります。さらに、言葉は悪いのですが、それが会議やインタビューではなくて隠し録りに近い状態で録音されたものですと、録音されていることを全く意識していない、忌憚のない話し方になりますから、さらに聞き取りづらくなります。そうしたカジュアルな場合、方言で大らかに話す方もいますが、その地方の言葉をよく知らない、つまり耳が慣れていない方にとっては、まさにお手上げの状態になります。

文字起こしは単純なようで奥の深い作業です。言葉全般への感覚を磨き、どんな話題でも食いついて起こしてやろうというハングリーさを持って当たれば、必ずよい成果物を上げられるのではないでしょうか。

インタビュアーインタビュアー

今はクラウドソーシングサイトもありますし、個人でお仕事を探せるようになった点を考えると、文字起こしという在宅ワークをスタートさせるハードルは、低くなってきているかもしれませんね。いきなりのチャレンジが不安という場合は、通信講座を受講してみるのも一つの方法ですね。文字起こしの技術を身に付けることができれば、長く続けることもできそうな内容の在宅ワークです。

E子さんとのやり取りから、言葉を大切にされていらっしゃることがひしひしと感じられました!
ありがとうございました。

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